挿し木・接ぎ木と種苗法

挿し木で株を増やすのは。。。生産者のことを考えると心情的にはNG、販売しなければ法律的には問題ないが、それぞれの判断に委ねる話になる。

個人として楽しむなら問題ないが。。。

WEBを見ているとバラの挿し木や接ぎ木はブログや動画で驚くほど紹介されているし自分でも何も考えずに「挿し木」に手を出したのだが、調べてみると音楽や映像著作同様、作出され登録した品種は「種苗法」という法律により一定期間保護されているそう。登録された品種を挿し木や接ぎ木で増やしても販売して利益を得ない限りは合法らしい。

種苗法について(農林水産省HPより)

種苗法は、この法律に基づいて品種登録を受けた品種について、開発した育成者権者の権利を保護することにより、品種の育成の振興を図ることなどを目的とする法律です。
 令和2年12月2日に「種苗法の一部を改正する法律」が成立し、12月9日に公布されました。

  1. 海外持ち出し制限(輸出先国の指定)(令和3年4月1日から適用)
  2. 国内の栽培地域の指定(令和3年4月1日から適用)
  3. 登録品種の自家増殖は許諾に基づき行う(令和4年4月1日から適用)

・令和4年4月1日から、登録品種の自家増殖に育成者権が及ぶことになり、登録品種の自家増殖は、育成者権者の許諾を得て行なわなければならない。
・なお、一般品種(育成者権が満了した品種、品種登録されたことのない品種、在来種など)については、従前どおり、自由に自家増殖を行うことが可能。

  1. 登録品種の表示の義務化(令和3年4月1日から適用)

品種登録データ検索
http://www.hinshu2.maff.go.jp/vips/cmm/apCMM110.aspx?MOSS=1

農林水産物の種類 Rosa L.

流通品種データベース
https://hinshu-data.jataff.or.jp/varieties/search?clear=1

登録時期により権利の存続期間が異なる

ざっくりで考えると作出から30年を超えていればフリーだと考えてよさげ、新しい品種ほど存続期間が長い。花の名前でググるとだいたいは作者・作出年がわかるので参考にできる。

  • 平成10年12月24日より前に登録された品種の育成者権の存続期間は18年
  • 平成10年12月24日から平成17年6月16日の間に登録された品種の育成者権の存続期間は25年
  • 平成17年(2005年)6月17日以降の育成者権の存続期間は30年

作出者にリスペクトしよう

バラを育て、挿し木をしたり、育ててみてわかるのは大変なこと。
品種の作出には長い期間と大変な労力を費やしているのは十分に想像できるので作者にはリスペクトすべきではないかと思う。残念なのは保護されているだろう品種がオークションなどで挿し穂や挿し木苗が沢山出回っていること。買う人がいるから売られるのが経済の本質であるが、最初の一株、切り花ならその一束は正規に店舗や種苗店で購入して生産者の方にリスペクトすべきだと思う。
ちなみに、苗の場合、権利切れの品種は千円台から買え、権利が有効なら3千円から5千円位なので目安となる。